不安と孤立を見捨てない石坂わたる 中野区議会議員・無所属
たつのこ通信
Vol.12 2014. 春号

-1面-

http://ishizakawataru.net/ twitterID:@ishizakawataru   編集・発行:共生中野
〒164-0014 中野区南台2-51-7-305  TEL:03-6304-8758  E-mail:09wishizaka@mbr.nifty.com 
【中野区議会】〒164-8501 東京都中野区中野4-8-1 TEL:03-3228-8874(無所属控室)

?メディアに掲載されました
1/15 毎日新聞の朝刊の記事、「くらしナビ・ライフスタイル:同性カップルも里親に」の中で、石坂わたるのコメントが掲載されました。

 

?石坂わたるの議会質問後、こうなりました

つまずいたときに支えあえるまち
●全災害用避難所に車イス用簡易型スロープの購入決定
●災害停電時、人工呼吸器利用者用の発電・充電器購入決定
●対人スキルや生活習慣の課題などで就労意欲が低下し、就労できない方を支援する就労意欲喚起等事業を開始

共に元気に暮らす 地域づくり
○中堅所得者向け区民住宅の民間不動産屋での入居者募集開始
○地域の公園の緑化ボランティアの募集が区HPに掲載
●高次脳機能障がいや発達障がい児・者への専門相談が開始
○障害者相談支援事業所の業務に障がい者虐待対応が追加

子どもを大切に
○発達障がいのお子さんの発達支援相談ハンドブック「小学校高学年期/中・高校生用」の発行
●新年度中に開設される重度重複障害児通所支援施設と、学校や自宅を結ぶ、送迎バスの運行が決定
○区独自での被虐待児の保護を開始
●特別支援学校のスクールバスにすぐに乗せてもらえない医療的ケアが必要なお子さんへの年度当初の交通費支給

 

?プロフィール
石坂わたる:1976年生まれ。養護学校教諭、区立 第七中学校・第十中学校 介助員などを経験し、平成23年、中野区議会議員選挙にて初当選。精神保健福祉士、行政書士。

?写真キャプション
・中野中学校新校舎内覧
・義足体験
・予算総括質疑
・日本行政書士政治連盟中西会長と
・中野でみそ仕込み教室!
・大阪市淀川区視察
・大阪市淀川区榊区長と
・分担執筆で原稿を書きました??
「地方政治ドキュメントU 議会はあなたを待っている」
(市川房枝記念会女性と政治センター出版部編集・出版)が出版されました。 (ISBN:978-4-90145-16-2)

?お茶会やってます
 お茶を飲みながら、幅広い年齢層や、異なる職業、背景などを持つ参加者同士が、和気あいあいとざっくばらんにおしゃべりをしています。石坂わたるからの活動報告・区政報告、暮らしの中で気づいた中野の状況について考えたり、みんなで一緒に何ができるかを考えたりしています。「生活や制度について相談したい」「中野について考えたい」という方も、「みんなと一緒に居心地のよい時間を過ごしたい」という方も、ぜひお気軽にお立ち寄りください。

次回のお茶会
予約不要・途中入場可・飲食代は各自負担
5月11日(日) 17時〜19時
cafe iwabuti JR東中野(東口)から徒歩3分

?学習会レポート

中野を再発見

2月11日の学習会は中野区学芸員の比田井克仁さんとNPO法人地域学習協会副理事長の中村信子さんに中野の歴史や魅力などをお話いただき、大盛況でした。

参加者の声
『50年以上中野に住んでいますが、あらためて中野の歴史を勉強する機会はほとんどなかったものですから、前々から興味を持っていましたので、自身にとっては凄くタイミングが良い企画でした。特に地層学的な歴史は前々から関心が深く、中野区学芸員の比田井さんのお話はちょうどぴったりでした、自分が地理的に感覚的に思っていたのとは少し違っており、地下水や水脈の話などは大変楽しく聞かせていただきました、歴史って面白いですね。
東祥二(中野区松が丘1丁目)

今回の話は刺激的で楽しかった。
上島琢哉(中野区弥生町)

● 共生中野主催 公開学習会のお知らせ ●
水害対策施設見学

 神田川の氾濫を防ぐためにつくられた環七地下調節池、またの名を「善福寺川取水施設」というところが中野にあるのを知っていますか? 今回の学習会は中野を再発見する見学会になります。地下に存在する巨大施設をあなたも一緒に見に行きませんか。見学後は近くでお茶をしながら意見交換をします。申し込みが必要ですので、事前にご連絡ください。先着15名。

集合場所:方南町駅1番出口(西口)
集合日時:5月22日(木)13:40

申込???
 5月12日までに以下にご連絡ください
FAX:03-6304-8758
mail:09wishizaka@mbr.nifty.com
郵送:〒164-0014中野区南台2-51-7-305

 

-2~3面-
不安と孤立を見捨てない

石坂わたるが行った質問とその答弁を報告します!

<平成26年第1回定例会
(2月17日〜3月25日) 一般質問>

▲専門性の高い職員の養成について

石坂 業務委託など民間活力の活用において、区職員には「民間の力を引き出し、チェック・評価をする」、「民間に適宜改善を求める」ことが求められる。そのためには、十分な見る目を養うことが必要であり、現場感覚を培うことや、専門知識や経験・見識をもつ職員の確保や育成が欠かせない。
 業務委託や指定管理が進む中でも、福祉の職員は部や室の枠を超えた福祉のエキスパートとして実力が発揮できることが必要では?
区長(田中大輔) エキスパート職員認定制度で福祉生活支援では現在5名の認定者がおり、今後も増員する。
石坂 ゼネラリストで人事や予算など分野をまとめる副参事の他に、エキスパートな面でリーダーとして活躍をする、より専門性の高い副参事を配置するような人事制度の運用での工夫も考えるべきでは?
区長 今後、エキスパート職員の中から専門性を兼ね備えた管理職が配置されることも十分区として取り組みをして行くことができるだろうと考えている。

◎ここがポイント!
26年度より中野区の障害福祉施設が全て業務委託か指定管理となり区直営施設が無くなることや、窓口を含む数多くの区の業務の委託化が進む中「民間によってサービスの質が上がる一方、現場のことが分からない区職員が増えるのではないか」という不安の声を頂き、質問をしました。

▲ひきこもり状態など、うつや統合失調の方の支援
石坂 3年間の精神障害回復者デイケア終了生への情報提供や支援の場の整備、地域生活への復帰についてはどういう方針か?
地域支えあい推進室長(瀬田敏幸) デイケア終了後もすこやか福祉センターの保健師などによる個別支援等、個々の障がい者の置かれた生活状況やニーズに則し、様々なサービス利用につなげられる様に、働きかけている。適時適切に情報提供もしてきた。今後も支援体制を強化する。

◎ここがポイント!
デイケア終了生の40%強が就労や就労訓練施設に繋がった一方、30%強は家庭内復帰です。家庭内復帰となった方が再びひきこもり状態に戻らざるを得なくなってしまうことがないようにしていくことが必要です。

▲知的障がい者などに分かりやすい表現を

石坂 知的障がい児・者や発達障がい児・者には、漢字や難解な表現について理解が難しいことがある。行政サービス等の説明書きや申請用紙、窓口でのやりとりなどで、ひらがなでの記載、ふりがなの使用、平易な日本語の表現といった配慮が求められる。これは学習経験や外国人や帰国子女などの理由で日本語能力に限界がある人にも有効ではないか?
健康福祉部長(野村建樹) 障害者差別解消法で障害に応じた配慮が定められている。職員研修を含め、全庁的な対応を行い、分かりやすい情報伝達に努めたい。

◎ここがポイント!
都の知的障がい者向けの福祉のしおりはふりがなを付すなどの工夫がされています。一方、区の障害福祉のしおりでは知的障がい者向けのサービスの記載でこうした配慮がされていないこと、区の条例で知的障がい者へのこうした配慮を定める細則が一部の条例にしかないことから質問をしました。

<平成26年第1回定例会
(2月17日〜3月25日) 総括質疑>

▲外国人住民や、観光等で来街する外国人支援
石坂 先日、あるドイツ国籍の区民の方から「中野区は23区の中で最も受容的な雰囲気がある。皆が比較的差別なしに、外国人も日本人も関係なく一緒に暮らしている。」という嬉しい声を頂いた。4月オープンの早稲田大学中野国際コミュニティプラザにも多くの外国人が2年間入寮をし、3年目以降は地域で暮らすことになる。
こうした外国人へのインフォメーションの工夫はどのように行っていくのか?
広報担当副参事(酒井直人) 外国人向け広報誌を大学の寮に置く他、日本語学校の校内に掲示を依頼したり、広報誌の紙面に配布場所を記載したり、普及を図るよう検討したい。
情報改善担当副参事(中谷博) 窓口案内表示の工夫や、多言語版庁舎案内を作るなど検討し、日本語や漢字が読めない方も、スムーズに窓ロで手続ができるよう対応を進めたい。
石坂 外国人住民にはどう対応していくのか?行政書士の方から外国人の就労の制限を知らない区内の事業主も多いなどの話も聞く。
産業都市振興担当副参事(横山俊) 外国人の雇用について雇用主に対し、国の施策や法改正などを区のホームページのリンクや産業振興センターなどで周知に努めてまいりたい。
都市計画担当参事(豊川士朗) 住まいの確保について不動産業者や家主の理解を得ると共に、情報提供方法について検討したい。
保健予防担当副参事(坂野晶司) HIV等の感染症の情報や各種予防接種などの情報のより効果的な広報について研究を重ねたい。
企画担当副参事(海老沢憲一) 小・中学生向けの日本語指導の拡充について、多様な担い手による指導も充実させる必要がある。
石坂 観光スポットや名所旧跡、表通り、裏路地、街並みなど外国人向けの観光情報についての発信の工夫は?
都市観光・商業振興担当副参事(滝瀬裕之)検討中のガイドマップでは英語、ハングル、繁体字、簡体字で検討中。観光等の案内の平易な日本語表記について、中野を訪れる多くの人に、可能な限りわかりやすい表記に努めたい。区における案内の表記の多言語対応についても適切に行っていく。
石坂 中野の国際化について、部や室や分野を超えた連携を進めるための職員の話し合いの場を作ったり、外国人市民代表者会議などの場を設けたりしてはどうか?
企画担当副参事 政策室が中心となって全庁を取りまとめ、各部それぞれの事業の中で推進を図りたい。今後区民と区長の対話集会など、外国人の声を聞く機会もつくりたい。

◎ここがポイント!
中野の国際化について耳にする機会が増えました。しかし、国際化を担当する部署以外の区役所各部署で国際化の準備が整っているのかについて疑問に感じ、質問をしました。

▲被災者の支援システムの導入を

石坂 先日視察をした西宮市では、被災者支援システムによって、被災者証明の発行だけでなく、避難所関連システム、仮設住宅管理システム、犠牲者・遺族管理システム、緊急物資管理システム、復旧・復興関連システム、要援護者支援システム、倒壊家屋管理システムが連携づけられていた。このソフトは他の自治体に無償配布もしている。こうしたシステムをどう評価し、今後の災害支援システムのあり方を考える上でどう検証を行うか? 災害が起こる前にシステムの導入を進めておくべきでは?
防災・都市安全担当副参事(大木島実) 被災者支援システムの導入が必要であると考えている。実効性のあるものとして導入するため西宮以外のシステムも含めて検討を進めている。

<総務委員会 11月29日>

 再任用職員について、区の学校事務室職員の勤務日の空白が無くなるよう質問。そうした職場には短時間勤務職員よりもフルタイム勤務職員を充てていくとのことです。

<震災対策特別委員会 10月3日>

 高齢者や障がい者や乳幼児のための二次避難所内で無線機の電波が届きにくい所があることを指摘しました。二次避難所の計画は手をつけ始めているところなので、ホイップアンテナ等の設置を検討するとのことです。

<平成26年第1回定例会
(2月17日〜3月25日)討論>

【一般会計予算案】賛成討論をしました
 支えあい推進室(子育て支援や保健・福祉を総合的に担うすこやか福祉センターの運営や、区民参加による地域自治・地域福祉・区民の公益活動などを担当)の予算が増額された点、財政再建という面で収入に占める基金(積み立てたお金)を取り崩す額が減少した点、そして認可保育所増設や就労に関する支援など、個々の福祉施策を評価する賛成討論を行いました。なお乳幼児・高齢者・障がい者などの災害時二次避難所の整備等が不十分な点や、民間に業務を委託する際のガイドラインや、ワークライフバランス推進企業の認定が遅れている点を指摘しました。採決の結果、可決しました。
【集団的自衛権行使を容認する憲法解釈の見直しをおこなわないことを求める意見書案】賛成討論をしました
 ある国への攻撃に対し同盟国が反撃を行う「集団的自衛権」と、国同士の戦争を他の国々の力で収束させて和平を促進する「集団安全保障」は別物であるということや、朝鮮半島付近から米国に向かうミサイルは日本上空ではなく北極を通るため、物理的に日本国内から迎撃できないことなどを指摘し、憲法解釈の見直しによって集団的自衛権が行使できるようにすべきではないと討論しました。採決の結果、否決されました。
【自治基本条例案の一部改正】
 4ページを参照ください

 

?石坂わたるの活動報告
12/30 南台二丁目前原町会の夜警に参加
1/8 南台商店街組合新年会
1/9 東京都行政書士会・東京行政書士政治連盟 新年賀詞交歓会
1/10 南中野地区町会連合会新年の集い
1/11 「セクシュアル・マイノリティが暮らしやすい市町村作り」スピーカー
1/12 南台二丁目前原町会新年会
1/13 中野区成人式、新宿二丁目レインボーまつり
1/15〜16 愛媛県四国中央市・大阪府大阪市淀川区・兵庫県西宮市視察(詳細は次号で報告します)
1/16 パトリック・リネハン在大阪神戸米国総領事とその同性パートナーのエマーソン・カネグスケ氏と面会
1/17 ももランチの会(桃園地域での昼食会)に参加、行政評価外部評価委員会公開ヒアリング(経営室分)を傍聴、中野区消費者団体連絡会主催映画上映会「フクシマ後の世界」
1/18 在日韓国民団東京中野支部新年会
1/18〜19 放送大学面接授業「僭主政治と民主政治」を受講
1/19 LGBT成人式
1/20 法政大学第二中・高等学校の授業での講演
1/24 中野区福祉団体連合会新年会
1/25 中野区国際交流協会国際交流サロン、NPO法人チームイーグレット チャリティーコンサート、野方区民ホールでの笑進笑明フェスティバル2014
1/26 なかの健康づくりフェスタ、東京土建中野支部南台分会新年会
1/28 行政書士賃貸住宅問題相談センター「シェアハウスの現状と展望」
1/29 東京土建中野支部新年会
1/31 NPO法人多文化共生センター東京新宿校見学
2/1 中野ボランティア会新年会
2/2 中野ランニングフェスタ2014出場、ナルコティックス・アノニマス薬物依存症について第3回セクシュアルマイノリティ・オープンスピーカーズミーティング
2/3 スマイル福祉カレッジ「認知症の理解」
2/4 まちなかサロン「なでしこ」
2/6 朝日友好中野杉並新春の集い
2/7 ももランチの会(桃園地域での昼食会)
2/9 ハピフルチャリティフェスティバル(U18中央にて)
2/12 まち記者講座
2/13 自治体議員政策情報センター 虹とみどり政策研究会
2/22 障害者就労継続支援施設すばるかんぱにーすばるまつり(野方ふれあい広場)
2/23 朝日友好親善子どもの集い
2/25 生涯学習サポーターの会
2/26 エカイエ認知症カフェ
2/29 中野カフェ 東松島市仮設住宅支援ミーティング
3/1 未来会議、なかので「みそ仕込み教室!」in2014、ZATTA14周年
3/2 いずみ教室 閉講式
3/5 日本の精神医療改革〜新たなる挑戦〜
3/6 行政書士会中野支部法教育打ち合わせ
3/7 沼袋西幼稚園卒園式
3/8 スマイル福祉まつり実行委員会
3/9 国際基督教大学田中和子先生最終講義
3/13 中野中学校新校舎内覧、中野区立第七中学校法教育、ウガンダの反同性愛法成立に抗議する『Call Me, Kuchu』緊急上映会!
3/14 絆の会 ふれあいコンサート
3/15 みなみ保育園卒園式、シンポジウム「自治体任期付職員〜法曹の活躍の広がり」
3/16 障害者の防災を考えるシンポジウム
3/18 行政書士会中野支部研修会
3/19 中野区立かみさぎ幼稚園修了式、art studio ALL OK 表現教育体験
3/20 南中野中学校卒業式
3/23 あとりえふぁんとむフェスティバル、東京レインボーウィーク交流会
3/24 新山小学校卒業式
3/26 中野ふくし倶楽部「認知症ケアのこころ」
3/28 映画「チョコレートドーナツ」(男性同性カップルとダウン症の男の子の3人の共同生活を描いた映画)試写会
3/29 中野ボランティアセンター ボランティア会

皆様と共に中野の課題に取り組みます! 石坂わたる

 

-4面-
?緊急解説

多選については有権者の判断に委ねるべき
 今回の定例会で自治基本条例改正案が賛成多数で可決されました。なお、多選については仕事に精通し、イニシアチブを発揮して部下との関係を強化し、安定的な区政運営ができるなどのメリットと、業務の硬直化や、馴れ合いなどのデメリットの両面があります。
 この条例の
「第7条 区長は、区民の信託にこたえ、区の代表者として、公正かつ誠実な行政運営を行わなければならない。
 2項 活力ある区政運営を実現するため、区長の職にある者は、連続して3期(各任期における在任期間が4年に満たない場合もこれを1期とする。)を超えて在任しないよう努めるものとする。
 3項 前項の規定は、立候補の自由を妨げるものと解釈してはならない。」
の2項と3項を削除する修正案が議題に上りました。この修正案は私の所属する総務委員会と本会議にかけられました。
 私は総務委員会において継続審議を主張しました。趣旨は以下の通りです。「自治基本条例は自治体の憲法ともいうべき性格を持っている」「修正前の第7条3項は、立候補の自由を妨げない努力規定である」、その上で「区長選挙間近なこの時期ではなく、選挙後の新たな区長の下で、他自治体や過去の事例を踏まえて多選自粛と多選弊害について検証をしっかりと行い、条例改正を検討すべきである」。
 継続審議をするかどうかを図る場面で、政党所属の全ての総務委員が継続審議について反対する中、私は継続すべしと挙手をしました。しかし、賛成少数で審議継続は実現せず、改正案への賛否を図ることとなりました。そして、私は「多選については有権者の判断に委ねるべき」という自らの政治信条(後述の本会議での討論概要参照)に基づき、賛成に票を投じました。本条例改正案は総務委員会において賛成多数で可決をしました。
 なお、「話し合いが不十分と思うならば今回は反対をして、もし区長選挙後に改めてこの条例案が出てきたときに賛成すべきではないか」という意見を後になっていただきました。しかし、同内容の条例改正案に対して数か月という短期間で立場を安易に変えるべきではないと私は考えます。
 そして、本会議では継続審議は図られることなく、賛成か反対かという事のみを図られるため、私は賛成討論を行った上で賛成をしました。この改正案は賛成多数で可決され、成立しました。

立候補の自由は保障されている
 私の討論概要は以下の通りです。
 自治基本条例は区の自治の基本を定めるものです。ただし、条例は憲法や法律に則る必要があります。また、裁判所の判例も踏まえると、全ての国民には被選挙権が保障されています。現職の公職者に関しても同様です。さらに自治基本条例施行後、平成19年の総務省「首長の多選問題に関する調査研究会」報告では「全国的に一律で多選を禁止する場合も、自治体の条例に委ねる場合も、在任制限を制度化する場合には、法律にその根拠を置くことが憲法上必要」とされました。しかし多選に関する法律は現在も作られていません。他方、中野区でもこの研究報告を受け、多選を巡る議論がなされた形跡はありません。
 これまで「自治基本条例のこの規定は努力規定であるがゆえに違憲・違法状態ではない」とされてきましたが、実際に区長となろうとした人物の被選挙権が侵害されるようなことになれば、自治基本条例は憲法に抵触する可能性が高いのではないかと思われます。

多選のよしあしをどう考えるか

 選挙を戦う上で「多選批判」は争点になり得ると思います。しかし、「条例という方法で多選を抑制する仕組みをお膳立てしておかないと、区民は望ましい区長を自らの力で選ぶことができない」と議会側が考えるのならば、それは有権者に対する見方としていかがなものかと思う所です。
 以上のことから、区長の多選については、個々の有権者に多選のよしあしについて判断を委ねるべきだと考え、多選自粛規定を自治基本条例から外すことについて基本的な考え方として賛成します。
 ただし、自治の基本について議論をするのですから、多選抑制について話し合いを行うのであれば、「現職の区長が気に入る/入らない」「新たな人物を区長にしたい」というような政局優先ではなく、今年6月に行われる選挙とは独立し、理性的な政策判断に基づいて判断すべき事柄であると考えます。
 そのため、私は新たな区長の下で議論を改めて行うべきだと思い、総務委員会では審議の継続に賛成しましたが、否決されました。
 そのため、本会議では継続を主張することができず、賛否だけが問われることとなりました。本来であれば多選自粛規定の削除と同時に検証すべき事柄や整備すべき事柄があったのだと思います。こうしたことがないまま決めねばならないことは残念ではありますが、先に申しあげた理由から多選については有権者の自由な判断に委ねるべきと考え、条例改正に賛成をします。

 なお、区長の多選に関し、「自分が当初提案した条例である以上、形式上は努力規定であっても、この条例によって現区長は当然に立候補しないものと解すべき」という意見があります。しかしそれでは、「努力」規定を根拠に区長の多選を実質的には認めないことになり、憲法の保障する被選挙権の侵害に当たると思われます。
 また、一部報道やインターネット上の書き込みなどでは、条例の改正を巡る賛否を図った採決についてのみが取り上げられ、その審議の経過に十分に触れられていないことは残念に感じています。

 

2014年3月発行

ボランティア募集!
中野区内でのたつのこ通信の配布、郵送準備などをお手伝いしてください。配布はご自宅の近くだけでもかまいません(50部程度から可能)。

メールニュース配信中!
議会質問の日程やイベント予定などを、メールで配信しています。
09wishizaka@mbr.nifty.com

通信を郵送します!
たつのこ通信は年に4回ほど発行予定です。ご希望の方には郵送いたします。

お話をうかがいます
 中野区議会内では、無所属議員控え室に在室しています。ご相談・ご意見をうかがいますのでお電話・メールで在室確認の上、お気軽にどうぞ。また、3名以上の区民の方の集まりにも調整の上、おうかがいします。

視覚障がい者の方など必要な方には音声版のたつのこ通信(ダイジェスト)をご用意できます。

すべてのお問い合わせはこちら!
バックナンバーのお問い合わせもこちらまで!
Tel:03-6304-8758(事務所)または03-3228-8874(無所属控室) 09wishizaka@mbr.nifty.com