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石坂わたるへのQ&A
Q&A一覧
- 元養護学校教諭・元教育センター職員ということですが、
具体的にどんな仕事をしていたのですか。
- 中野区の任期付短時間職員や任期付職員として働いていた
ことがあるとのことですが、具体的にどんな仕事をしていたのですか。
- これまでに性的少数者の人権に関連した政治に関わる活動を行ったことがありますか。
- 元養護学校教諭であることと、過去10年以上同性愛者の
当事者運動の活動をしてきた事を公言した上で、2007年に中野区政に挑戦しようと
思ったきっかけはなんですか。
- 区政にたずさわった時に子どもたちや保護者に向けて行っていきたい
ことを具体的に教えてください。
- 区政にたずさわった時に、マイノリティの人たちに向けて行なって
いきたい活動を具体的に教えてください。
- 区のレベルではフォローしきれないこともたくさんあると思うのですが、
他議員もしくは他団体と連携して政府に働きかけるなどといったことは
考えていますか。
- 私は日本国籍を持つ異性愛者で、障害もありません。
いわゆるマイノリティではないので、石坂さんの考え方には
ほとんど関係ないような気がするのですけど。
- マイノリティに特権を与えることで逆差別になるのではないでしょうか。
- 高福祉によって、高負担や財政悪化が起こるのではありませんか。
- 石坂さんの政策をもっと詳しく知りたいのですが。
- 2007年の中野区議会議員選挙では落選をしてしまいましたが、この間どういう活動をしてきましたか。
- 石坂さんが性的マイノリティであることがどのように考え方や政策に影響をしていますか。
石坂わたるへのQ&A
元養護学校教諭・元教育センター職員ということですが、具体的にどんな仕事をしていたのですか。
- 養護学校では知的障碍を持つ子ども達の先生をしていました。言葉や数量、作業学習(職業訓練的なもの)や集団遊び、そして1対1の遊びの指導などをしていました。
教育センターでは、通常の学級にいる障碍のあるお子さんへの個別指導や学級内での支援、担任の先生への助言、そして保護者からの相談対応をしていました。
中野区の任期付短時間職員や任期付職員として働いていたことがあるとのことですが、具体的にどんな仕事をしていたのですか。
- 第七中学校と第十中学校で通常学級に在籍をする障碍児の介助員としての仕事をしました。肢体不自由のお子さんの移動支援や、自閉症のお子さんの学習支援、日常生活スキルの支援などを行ないました。
また、中野区区民生活部の外国人登録担当として、「日本に入国をした後、最初の居住地として中野区に住んだ方の新規の外国人登録の手続き」や、「日本に暮らしている、あるいは日本で生まれ育った外国人の方の、婚姻や就職などに伴う登録事項の変更」などの手続きに関わっていました。また、区民生活部全体の仕事として、中野まつり当日の本部スタッフも行ないました。
これまでに政治に関わる活動などを行なったことはありますか。
- 2006年に新木場で同性愛者を狙った少年による暴行事件がありました。性的マイノリティの子どもをいじめやいじめによる自殺などの被害者にさせないことはもちろんのこと、性的マジョリティ(多数派)の子どもたちを、こうした嫌悪的犯罪やいじめの加害者にさせないことが必要であると考え、こうした事件の再発を防ぐために、東京都総務局人権部、教育委員会などへの要望書の提出を行ないました。
また、TMGF(東京メトロポリタンゲイフォーラム)の共同代表として、議員・首長選挙立候補予定者や政党を対象とするアンケート調査を実施しました。その回答結果を、「東京都で暮らす同性愛者(厚生労働省科学研究費補助金エイズ対策研究事業疫学研究班の調査によると、同性愛者は人口の1.2〜1.3%)」や「その家族・関係者(同性愛者とかかわりのある教育・医療・福祉の専門職等)」などの人に向けて、投票の判断材料として公開・提供してきました。
元養護学校教諭であることと、過去10年以上同性愛者の当事者運動の活動をしてきた事を公言した上で、2007年に中野区政に挑戦しようと思ったきっかけはなんですか。
- 現場の専門職や当事者としてできることは少なくないものの、現場で声を上げるだけでは変わらないということを感じて挑戦をしました。
障碍者福祉については合理化がされることがあっても、自立を促すために裏付けとなる新たなしくみができてこない、障碍児教育についても新たなしくみができても十分な人が配置されていないということを感じてきました。
また、性的マイノリティについても自分の性的指向や性自認について悩んだり、いじめに遭ったりする子どもが少なくない中、その人権への配慮が学校内部においてもなかなか進んでいませんでした。TMGFでのアンケートにおいては、同性愛者に関して「保健体育では教えるべきではない」「家庭科の『多様な家族のあり方』として教えるべきではない」という候補者の(特に当選者の)回答が目立つようになってきました。さらに、学校で性的マイノリティについて取り上げることに対するバックラッシュ(=反動や攻撃)も激しくなり、教育的にも政治的にも逆風が生じていることに危機感を感じていました。
こうした、人間の多様性や社会的な弱者の存在に対する圧迫と偏狭に危機感を感じて、挑戦をしました。
区政にたずさわった時に子どもたちや保護者に向けて行っていきたいことを具体的に教えてください。
- 「みんなと違う」「ちょっと変」といった理由から生じるイジメをなくすことが必要です。障碍児・者や同性愛者はもちろんのこと、他の人と違う意見を持っていたり、得意なことや苦手なことが他の友達と違っていたりしてもイジメに遭わない環境を作っていきます。そのためには学校の中はもちろんのこと、違いから生まれる偏見やイジメを許さない社会的な風土を作っていくための人権啓発や多様性を活かす文化の形成、そして共同参画の場づくりを進めていきます。
また、ひとり親家庭や両親共働きの家庭で、残業が多かったり、夜勤があるような職業であったりしても、子どもが安心して過ごせる保育や学童保育の場を作っていくために力を注いでいきます。
区政にたずさわった時に、マイノリティの人たちに向けて行なっていきたい活動を具体的に教えてください。
- 上でも述べたような「一人ひとりが違っていて当たり前であるという風土」をつくっていくことに加え、高齢者・シングルマザー・外国人・障碍者・性的マイノリティなど、様々な社会的少数者が安心して別け隔てなく住む場所を借りることができ、困ったときには教育・福祉・医療・法律等の専門家に気軽に相談できるしくみをつくっていくことが必要です。また、肢体不自由者・人工肛門や人工膀胱を使っている人・性同一性障害やトランスジェンダーの方々も使いやすい「誰でもトイレ」の設置を進める活動にも取り組んでいきたいと思っています。
区のレベルではフォローしきれないこともたくさんあると思うのですが、他議員もしくは他団体と連携して政府に働きかけるなどといったことは考えていますか。
- 国政・地方を問わず、様々なマイノリティ性を持つ議員や、少数者に対する理解や親近感を持ってくれる議員と協力・連携をして、政府に働きかけをしていきたいと思っています。
私は日本国籍を持つ異性愛者で、障碍もありません。いわゆるマイノリティではないので、石坂さんの考え方にはほとんど関係ないような気がするのですけど。
- マイノリティにとって生きやすい社会は、結果的に誰にとっても生きやすい社会です。また、突然の事故・病気や失業、災害、そして年齢を重ねることによる体力の低下などによって、誰もがマイノリティになる可能性を抱えて生きています。誰もがみんな、どんなときにも安全で安心に暮らしていける中野を作っていきます。
マイノリティに特権を与えることで逆差別になるのではないでしょうか。
- マイノリティが被っている不利益の解消は必要だと考えていますが、マイノリティがマジョリティよりも利益が得られる社会を目指しているわけではありません。同じ中野で暮らす人同士で、対等に協働して地域づくりに関わっていけるように目指しています。
高福祉によって、高負担や財政悪化が起こるのではありませんか。
- 福祉の担い手は行政ばかりではありません。NPO/社会的な起業家/従来からの企業による地域貢献活動/ボランティアを行なう組織や個人など、この中野には様々な人材や組織といった資源があります。こうした「人材や組織が連携して地域のために取り組むしくみ」「篤志家が地域の非営利団体に寄付をしやすいしくみ」を作ることで、税金を原資とする行政サービスや補助金頼みではない福祉のしくみを作ることができると考えています。
また、行政が「障碍者の就労支援」「障碍者がつくる製品の高品質・高付加価値化へのサポートや、流通ルートの開拓協力」を行なうことによって、従来福祉の対象となっていた人がより自立した生活を送れるようになり、長期的には「メリハリのある予算」「税金のバラマキではない財政体質」をつくっていくことにつながっていくと考えます。
石坂さんの政策をもっと詳しく知りたいのですが。
2007年の中野区議会議員選挙では落選をしてしまいましたが、この間どういう活動をしてきましたか。
- 大学院でコミュニティデザイン(福祉の理念を活かした地域社会づくり)やノーマライゼーション、子育て支援などについて学びながら、障碍児や外国人などのマイノリティと関わる非正規の公務員、障碍児の教育・福祉・行政手続の専門家として働いてきました。また、「人権啓発イベントのスタッフや市民活動」「トワイライトステイ(夜間養護)などの子育て支援」、「HIV予防・啓発活動」「貧困問題における支援活動」「シングルマザーとの交流会への参加」、そして「お母さんたちが活動などをしている時間の、お子さんの一時的な保育」などについて、中野区内外で取り組んできました。
また、中野区議会の厚生委員長【当時】を招いてのトークイベントの実現や、都内数カ所のボランティアセンターにマイノリティに関する人権の啓発についての冊子を置いてもらうことができました。
声が大きい人の意見よりも、声をなかなかあげられない人の声、声を出すことに躊躇をしてしまう人の声、小さな声にしっかりと耳を傾け、必要な人に、必要な支援ができるようにしてきました。
2007年4月の区議会議員選挙の際に掲げた政策について、プロの政治家にはなれませんでしたが、在野の人間、アマチュアとしてできることを続けて、限界に挑戦しながら取り組んできました。
石坂さんが性的マイノリティであることがどのように考え方や政策に影響をしていますか。
- 私の場合は性的マイノリティであることや、同じ性的マイノリティの友人・知人と出会えなかったことによって、小さいころ、不安や孤立を感じていました。また、同じマイノリティの友人や、マジョリティ(多数派)の友人との出会いでそうした不安や孤立が解消して行ったこと、しかし、それでも生活をしていく上での不便を感じてきたことがありました。同じ性的マイノリティでもこうした経験をしたことがないという方も少なくありませんが、やはり、マジョリティ(多数派)の人と比べ、性的マイノリティや障碍児・者、外国人のお子さんなどの社会的なマイノリティは同様な経験を体験することが少なくないようです。性的マイノリティに限らず、同じような不安や孤立をあとの世代の子どもたちに味わわせたくないと考えます。また、今ある不便を解消していきたいと考えています。そのためにも、地域の中でみんなをつなぐ役割を担っていきます。